ご挨拶


かかわる・つながる・動く・変わる 『ルーラル』からの未来への発信

日本ルーラルナーシング学会第21回学術集会
学術集会長 牛尾裕子(山口大学大学院医学系研究科保健学専攻地域/公衆衛生看護学 教授)
 この度、日本ルーラルナーシング学会第21回学術集会を令和8(2026)年9月12日(土)・13日(日)に、山口県総合保健会館(山口県山口市)において開催させて頂くことになりました。身に余る光栄に存じますとともに、本学会役員の皆様をはじめ、会員、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

 本学会は、へき地(過疎地域、豪雪地帯、山村、離島等)を含む地域の中核病院や保健所等に勤務する看護職を支援する組織として、日本におけるルーラルナーシングを確立すること及びへき地における人材育成や看護実践者の生涯学習に還元することを意図して平成 17 年に設立されました。

 この度の本学術集会のテーマは「かかわる・つながる・動く・変わる 『ルーラル』からの未来への発信」といたしました。

 日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると、ほとんどの市区町村で総人口が減少し、特に人口5千人未満の市区町村が顕著に増加し、2050年には全市区町村の4分の1以上を占めることとなると推計されています。このような地域では保健医療だけでなく地域のさまざまな担い手の不足が深刻になることが見込まれます。

 「ルーラル」は、これまで既に上記の課題に対し、限られた人材・資源だからこその知恵や工夫、新しい試みや本来の住民中心のケアのあり方を追求してきたといえます。私はこれまでの「ルーラル」での経験から、「ルーラル」における教育・研究・実践は、学生・教育研究者・専門職・住民それぞれに予期しない発見や新しい価値、あるいは力をもたらすとの確信を強くしてまいりました。本学術集会のテーマは、「ルーラル」というフィールドで、様々な立場の者が、関わり合いを持ち、つながり、そこから何かが動いて変わっていく、その中から未来へのヒントを見つけようという意図を込めました。

 「ルーラル」をフィールドにした人材育成・人材確保、新しい看護サービスの創出など、課題への挑戦の中から、「未来」をキーワードに、ご参加いただく皆様と活発な議論を交わせればと考えております。
 中国地方で初開催となる山口の地で、本学術集会が、様々な立場や専門性を超えて、課題と目標を共有し、「ルーラル」の英知とパワーを生み出すネットワークを一歩も二歩も前進させるきっかけになることを願っております。皆様と直接お目にかかれることを心よりお待ち申し上げます。